「ふ、花その様子じゃデート?」
お母さんがあたしの様子を見て、ニヤニヤして見てくる。
「へへへ….ばれた?」
「じゃあ、これを最後に塗りなさい。お母さんのお気に入りのリップ」
そう言ってほんのり赤いリップをあたしの唇に塗るお母さん。
リップをするだけで一気に華やかになる自分の顔面。
「すごい…
リップだけで印象が変わる」
いつも薬用のリップクリームしか塗らないあたしにはとても新鮮だ。
「頑張りなさいよ。
花は、いつもパニックになるから冷静にね。時には気遣いも忘れずに」
そう言ってウインクする母。

