ぎゅっ と抱きしめられているせいかさらに暑さが増す。




「もう行きますね」



そっと離れる腕。




「….うん」


「また明日学校でね。

おやすみ」


「おやすみなさい、また明日」




ヒラヒラと手を振る。


どんどん、小さくなる悠人くんの後ろ姿。



あーあ、行っちゃった…まだもうちょっと一緒に居たかったのになぁ。


なんて、言えないや。




そんな事を思いながら家に入った。



















「 ん? あれって花?

さっきの…花の男か?」




あたしが入ったドアの向かいで、誰かがそんな事を呟いていたーー。