「……うつり…ますよ…?」
瀧くんはそう言ってあたしから顔をそらす。
その顔は熱のせいでもあるのか、真っ赤に染まっていた。
「……瀧くん、あたしね「待って」
ーー好き
そう言おうとした。
けどそれは阻まれ、あたしは瀧くんの胸の中にいた。
「たた、瀧くん….これは…」
あたしの背中にしっかりとまわされている瀧くんの右腕。
…凄く熱い。
瀧くんとの距離が近すぎて横を向けない。
「まだ…言わないで下さい…」
「え…」
「僕、熱あるんですよ?
元気な時に…僕から言わせて下さい」
「えっ!」
え、え、えええ!
バッと横を振り向くと、かなり近くに瀧くんの顔があって 反射的にまた顔を違う方向に向ける。

