おはようからおやすみまで蕩けさせて

「俺がヤダって言ったらどーすんだよ」


「その時はネットカフェにでも行く」


「何なんだよお前、一体何があってそんな…」


訳を聞こうとして口籠る。
諦めた様な吐息を漏らした後、「あーもう！」と悔しそうな声を張り上げて頭を掻いた。


「しゃーねぇな。俺にも散々借りがあるから置いてやるよ。でも、早く解決しろよな、でないとホントにややこしくなるぞ」


忠告してタバコを吸いだす。その横に立ちながら「ああ」と一言だけ返事をした。


頭の中では「好きにすれば！？」と怒鳴った結実のことが浮かんでた。
泣きそうで何処かショックを受けてるふうだった。



（好きにすれば…か……）


何をしてもこの所の結実は嬉しそうにしない。
確かに仕事が忙しくなって、プレッシャーを感じてるだろうとは思うけど。
家でそれを癒してやろうとしても拒否するし、挙げ句の果てには話すのも出来ないくらい疲れてるとか言いだした。


（だったら一緒に居ない方がいいよ…）


俺は結実の側に居れば絶対に溺愛したくなる。

疲れて帰ってくる結実を抱き締めて、キスを落としたくなる。

自分の手料理で疲れを取って、髪の毛も身体も全部自分が洗いたくなる。

そのまま結実を抱いて眠る。

朝になって寝入ってる彼女にキスをする時が、この上なく幸せで堪らない……。