「よぉ、悪妻」
チャラ男の山本さんが偉そうに声をかけてきた。
上司を悪妻と呼ぶのは貴方だけなんですけど!?
「…おはようございます。昨夜は雨宮がお世話になりました」
ぶうたれたままで側をすり抜け、デスクに目線を落として見れば……
『ここ数字間違ってる』
天宮さんのチェックが入った付箋を発見。
大いに気分を害された気がして、ぺりッと剥いで揉みくちゃにした。
「山本さん!」
大きな声にビクついて彼が丸い目を向ける。
その顔をギロッと睨んで怒ったようにお願いした。
「暫くの間、天宮を貴方の部屋で預かって下さい!私の気が済むまで!もうずっと済まないかもしれないけど!」
商談相手と話す時以上の迫力があったらしい。
流石の山本さんも無言で唖然とした表情をしてる。
「いいですね!」
「お…おう…」
蛇に睨まれた蛙の如く、山本さんは返事をしてから我に返った。
「ちょっと待て!なんだ今のは!」
後から断ってもこっちはもう聞く耳を持たない。
山本さんが呆れて口ごもるまで、とことん無視してやった。
「何なんだよ。一体……」
呆れ顔で睨まれたって怖くないから。
ホントに頭にきて仕様がないから。
(天宮浬のバカ!ホントにもう知らないっ!)
怒りを胸に秘めたまま仕事に打ち込んだ。
今夜から一人。
やっぱり私には一人が似合うのかもしれない……。
チャラ男の山本さんが偉そうに声をかけてきた。
上司を悪妻と呼ぶのは貴方だけなんですけど!?
「…おはようございます。昨夜は雨宮がお世話になりました」
ぶうたれたままで側をすり抜け、デスクに目線を落として見れば……
『ここ数字間違ってる』
天宮さんのチェックが入った付箋を発見。
大いに気分を害された気がして、ぺりッと剥いで揉みくちゃにした。
「山本さん!」
大きな声にビクついて彼が丸い目を向ける。
その顔をギロッと睨んで怒ったようにお願いした。
「暫くの間、天宮を貴方の部屋で預かって下さい!私の気が済むまで!もうずっと済まないかもしれないけど!」
商談相手と話す時以上の迫力があったらしい。
流石の山本さんも無言で唖然とした表情をしてる。
「いいですね!」
「お…おう…」
蛇に睨まれた蛙の如く、山本さんは返事をしてから我に返った。
「ちょっと待て!なんだ今のは!」
後から断ってもこっちはもう聞く耳を持たない。
山本さんが呆れて口ごもるまで、とことん無視してやった。
「何なんだよ。一体……」
呆れ顔で睨まれたって怖くないから。
ホントに頭にきて仕様がないから。
(天宮浬のバカ!ホントにもう知らないっ!)
怒りを胸に秘めたまま仕事に打ち込んだ。
今夜から一人。
やっぱり私には一人が似合うのかもしれない……。

