(とことん疲れなくなるまで距離を置いてと頼んだらダメ?そうなったら離婚?スピード結婚の後は電撃離婚?)


オフィスの笑い者にされそうだな…と思いつつ朝食を食べ終えた。
美味しかったけど、やっぱり自分が作るよりも上手だと思うと落ち込む。

夫の手料理ですら重いと思う妻なんてきっと私だけだろうと呆れて着替える。
淡いブルーのパンツスーツに身を包むと、如何にも「仕事のデキる女」みたいに見えるけど、実際は仕事もデキない上司だ。


「せめて家庭か仕事のどちらかがデキる自分でいれたら良かった…」


だったらここまで卑屈な気分にもならない。
あれこれ考えたって逃げれないんだから、さっさと仕事へ行ってしまおう。


オフィスへ行って天宮さんに会ったら取り敢えず昨夜の態度は謝ろう。
それから後のことは、彼の態度を見てから決めよう。


ガチャとドアを開けてみると昨夜の雨はすっかり止んで、空には薄いグレーの雲が残ってるだけだ。


(この空を眺めながら天宮さんも出勤してるかな…)


疲れも負担も無くなって一緒のことを見つめていけたらいいな…と思い、ドアを閉めて鍵をかけたーーー。