上司を君とか言うのは貴方だけですけど!?


ニヤリと笑うその顔のイヤラシイこと。
絶対に他のことを考えて口にしてるに違いない。


「すみませんけど、仕事とプライベートを混同しないで下さい」


そういうのが嫌いとかじゃなく、家ではベタベタに甘えさせられるから、オフィスでは一線引きたいだけだ。


「チッ。面白くない」


この人は一体何を考えてるんだ。


「面白いとか面白くないとかの問題じゃありません。部下の商談の進捗状況が知りたいだけなので邪魔しないで下さい!」


段々本気で頭にきて、最後はこっちも言い方が強くなった。


「怖ぇな」


逆らわない方がいいよ…と逃げ出してきた社員に言ってる。
こっちは鬼でもなければ、実際に人を斬り捌く仕事人でもない。


「とっとと教えておいた方がいいよ。キーキー怒られんのは君も嫌だろ?」



あーのーねー、私がいつキーキー怒ったのよ!


山本さんに話すよう勧められた彼女は、私の方に目を向けて渋々と商談の説明を始めた。
聞き始めた時から引っ掛かる事が頭にあって、そこは大丈夫なの?と問うただけなのに……



「ほらぁー、やっぱり教えたら難癖付けてくるー」


メーカーにやってることと同じだと指摘され、隣の部署や周りの人達からも注目を集める結果となった。



「いい加減にしてよ!」


バンッ!とデスクの上を叩けば、見事にウソ泣きの開始。