翌週からスタートした新体制は、一週間後、早くも暗礁に乗り上げていた。
天宮さんからチームリーダーを引き継いだ私を快く思わない社員が一人いて、挨拶しても返されないし、商談の内容を聞こうとしても教えてくれない。
ムッとすれば「怒られちゃったー」と甘える様な声を出して逃げ、その逃げる先というのが天宮さんの同期でもある山本さんのデスク。
「リーダーが怖い目で見るのー」
怖い目で見られるのはあんたが協力しないからでしょう!
こっちはやりたくてこの地位に就いたんじゃないんだから、もう少しその辺の気持ちも察してよ!
「ヨシヨシ、大丈夫。俺が仕事人から守ってやるよ」
このチャラ男を異動させたのは誰よ。
役に立つどころか、チームワークを乱してばかりいるんだけど。
「山本さん、彼女を甘やかすのもいい加減にして下さい」
明るい茶髪にパーマをかけた人は凡そ外回りをしてたようには見えない。
スーツのボタンも一個しか留めない彼が私の方を振り向いて、呆れ口調で言い返してきた。
「ビシビシ厳しくすれば部下がついて来ると思ってんの?時代錯誤なこと言ってたら誰もついてこなくなるよ」
年上で身長の高い彼は目線も態度も上からだ。
「私は部署の責任者として彼女に話して欲しいだけです。どんな商談を請け負ってるのかを前のリーダーにも聞かれてた筈です」
「…ああ、君の旦那ね」
天宮さんからチームリーダーを引き継いだ私を快く思わない社員が一人いて、挨拶しても返されないし、商談の内容を聞こうとしても教えてくれない。
ムッとすれば「怒られちゃったー」と甘える様な声を出して逃げ、その逃げる先というのが天宮さんの同期でもある山本さんのデスク。
「リーダーが怖い目で見るのー」
怖い目で見られるのはあんたが協力しないからでしょう!
こっちはやりたくてこの地位に就いたんじゃないんだから、もう少しその辺の気持ちも察してよ!
「ヨシヨシ、大丈夫。俺が仕事人から守ってやるよ」
このチャラ男を異動させたのは誰よ。
役に立つどころか、チームワークを乱してばかりいるんだけど。
「山本さん、彼女を甘やかすのもいい加減にして下さい」
明るい茶髪にパーマをかけた人は凡そ外回りをしてたようには見えない。
スーツのボタンも一個しか留めない彼が私の方を振り向いて、呆れ口調で言い返してきた。
「ビシビシ厳しくすれば部下がついて来ると思ってんの?時代錯誤なこと言ってたら誰もついてこなくなるよ」
年上で身長の高い彼は目線も態度も上からだ。
「私は部署の責任者として彼女に話して欲しいだけです。どんな商談を請け負ってるのかを前のリーダーにも聞かれてた筈です」
「…ああ、君の旦那ね」

