「か……い…り…」


次第に熱の込もるディープなキスに溺れそう。

ああ、だけど、彼は仕事が待ってるのにーーー



「ダメ……浬…さん……」


飛んで行きそうな意識を取り戻し、強く吸われてる唇を離した。


「仕事があるから、行ってらっしゃい…」


ジンジンとする唇を指で隠して勧める。
唾液に濡れた彼の唇を見たら、子宮の奥がキュッと締まるような感じがした。


「……わかった。行ってくる」


名残惜しそうにしながらも、今度こそは振り返らないで出て行く。
こんな溺愛体質な彼が浮気なんて、やっぱり有り得ない…と実感しつつ見送った。



翌朝は会議があるから…といつもよりも早目に出勤して行った浬さん。

洗濯も掃除もしなくていいから…と言われたけど、流石にそう毎日遊んでるのも退屈過ぎる。


「悪阻もないんだから体動かそう!何しようかな。拭き掃除?それともシーツと布団カバーでも洗濯する?」


寝室に入り、掛け布団カバーを外しながら昨夜のことを思い出した。

朝はあれだけ求められたのに、夜はベッドに潜り込むなりいきなり寝始めたーー。




「浬さん?」


ねぇ、おやすみのキスはしなくていいいの?と聞く前に既に眠ってる。
睡眠薬でも飲んだ?と思うくらいに早い寝込み。


「…まぁね、私のするべき家事までこなすんだもん。そりゃ疲れるよね」