運ばれてきた日替わりランチのプレートに盛り付けられたサラダを食べながらそう話せば、津田ちゃんは「甘い!」と酸味の強いトマトを頬張る。


「想像出来ないようなことを仕出かすんです、男って生き物は!」


どれだけ自信タップリなの…と見つめ返すと、彼女はランチのトンカツを摘み上げ、バクッと前歯で噛み切る。
そのまま大きな塊を口の中で転がしながら噛み続け、ゴクン…と飲み込んでから続きを話した。


「私の友達、夫の浮気が原因で離婚調停中なんですよ。その浮気も、彼女の妊娠中に仕出かしたから許せないみたいで」


男ってどうしようもないですよね…と呟きつつ、だから私にも安心してちゃいけません、と忠告する。


「特に妊娠初期の間は流産の危険もあるから極端に触れ合わないでしょ?でも、そこできちんと触れ合った方が、後のリスクが低くなるんです」


津田ちゃんはまるで耳年増のように、周囲から聞いたこぼれ話を展開する。

私はランチを食べながらそれらをフンフン…と聞き流し、お昼の休憩が終わるから…とオフィスに戻って行く彼女の背中を店の前で見送った。


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「浮気ねぇ」


テレビの画面に映し出された二文字を眺めつつ、うーんと頭を悩ます。
あの時はあまりにもいきなり過ぎて、頭の方も納得がいかなかったけど……。