「イヤ!今直ぐ抱いて!」


子供のように駄々を捏ねてごめんなさい。
でも、今、貴方に抱かれたいの。


自分から唇を合わせに行った。
驚く彼の唇を奪い、自分から舌を差し込む。



「かい…り……」


隙間から漏れる声で名前を呼ぶと、ようやく彼の方も私の求めに応じだした。



「結実…」


名前を呼び合いながら抱き合うのなんて初めてだ。
その快感に酔いしれて、朝までずっと抱き合った。



翌朝は珍しく起き上がれない浬さんの頬を優しく突き、「起きて」と唇にキスを落とした。



「結実のキスで起きるなんて初めてだな」


そんな言葉を囁く彼を見つめ、これからもずっと一緒に居ようと誓った………。



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それから三ヶ月後、妊娠が判り、彼と私はお互いの取り越し苦労を労った。



「体大事にしろよ」


お腹に手を当てて微笑む彼を、今日もおはようからおやすみまで蕩けさせる。



「浬さんこそ、お酒もタバコも減らしてね」



私を奥さんにしてくれてありがとう。

もっともっと、貴方の愛で蕩けさせて……。



END


※続編まで読んで下さり、ありがとうございました。