「焦った…。離婚してやり直すのかと思った…」


「そんなことしないよ。『天宮さん』と呼ばれるのにも、やっと慣れてきたのに」


夫婦も恋人もしたいんだと言ったら欲張りだろうか。
でも、今しかそれが出来ない気がする。


「それ聞いて安心した。それじゃあ早速だけど一緒に風呂入ろ」


「ご飯食べてからね」


髪の毛洗って…と甘えれば、「いいよ」と二つ返事が戻る。


「ついでにカラダも洗ってやるよ」


「それはお願いだから止めて」


いつもそのままエッチに入るんだもん。
お風呂場だと声も出せないからツラい。


「風呂場で乱れる結実が綺麗なのに」


「ヤダもうっ!バカなこと言わないで!」


ポカッと肩を叩いて食事を始めた。

その夜は、いつも以上に甘い彼の愛撫に溶かされて眠ったーーー。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


翌朝、目覚めるといつもの様に天宮さんがキッチンに立ってる。



「おはよう、結実」


疲れを知らないってこのことを言うのか。私はまだ足も腰もダルいのに。


「……おはよう…」


気怠そうに言えば、クスッと笑ってテーブルを指差す。


「もう直ぐ出来上がるから先にコーヒーでも飲んでたら?」


視界の先には綺麗にテーブルコーディネートされた朝食が置かれてある。彼が主夫を続ける限り、ほぼ毎朝これが続くんだ。