「私にはそんなつもりありません!」
視線を逸らさないで言い返した。
足が見えるとは言っても膝から下だけだ。
それをそんなふうに受け取られるとは、全く思ってもいなかった。
バクバクと心臓は鈍い音を立てるけど、今ここで怯んだらマズい。何とか危機を逃れて外へ逃げ出さないとーー。
「そうですか?僕にはそんなふうにしか窺えませんが」
躙り寄ってくる彼の動きに合わせて立ち上がる。
ドアへ行くには、このまま座ってたソファを回り込まないといけない。
背中を向ければ相手の思うツボだし、このままの体勢で走りきれればいいけど……。
(どうしてこんなスカートを穿いて来たんだろう……)
崩れそうになる気持ちを堪える。
「助けて」と声を上げそうになるけど、何もされてないうちから上げてもいいのかどうか迷う。
少しずつ前に踏み出してくる山瀬さんに追い詰められながら、どうすればいいのか分からなくなって天宮さんに救いを求めた。
(お願い、天宮さん…助けに来て…)
先回りしてミスを教えてくれたのに、それを私はイヤミのように受け取ってしまった。
腹立ち紛れに山本さんに彼を預かってと言いだし、今日も朝から連絡をしないでおいた。
そんな意地を張らずに素直になっておけば良かった。
さっさと謝って、彼に帰って貰えば良かった。
そうすれば、こんな事態に陥ることもなかったのに……。
視線を逸らさないで言い返した。
足が見えるとは言っても膝から下だけだ。
それをそんなふうに受け取られるとは、全く思ってもいなかった。
バクバクと心臓は鈍い音を立てるけど、今ここで怯んだらマズい。何とか危機を逃れて外へ逃げ出さないとーー。
「そうですか?僕にはそんなふうにしか窺えませんが」
躙り寄ってくる彼の動きに合わせて立ち上がる。
ドアへ行くには、このまま座ってたソファを回り込まないといけない。
背中を向ければ相手の思うツボだし、このままの体勢で走りきれればいいけど……。
(どうしてこんなスカートを穿いて来たんだろう……)
崩れそうになる気持ちを堪える。
「助けて」と声を上げそうになるけど、何もされてないうちから上げてもいいのかどうか迷う。
少しずつ前に踏み出してくる山瀬さんに追い詰められながら、どうすればいいのか分からなくなって天宮さんに救いを求めた。
(お願い、天宮さん…助けに来て…)
先回りしてミスを教えてくれたのに、それを私はイヤミのように受け取ってしまった。
腹立ち紛れに山本さんに彼を預かってと言いだし、今日も朝から連絡をしないでおいた。
そんな意地を張らずに素直になっておけば良かった。
さっさと謝って、彼に帰って貰えば良かった。
そうすれば、こんな事態に陥ることもなかったのに……。

