* * *

「あぁ、それはきっと安藤ユイ(あんどうゆい)だね」




「誰…?」




校庭に戻り、青団のテントで潮音に出来事と状況を話す。




「え?知らないの?」




「安藤ユイ、2年5組の赤団。村山くんのことが熱狂的に好きで、村山君に近づく女にはそうやって勝負しかけてるの。でも……誰もその勝負に勝てるわけはない」




「……朋ちゃん!」




あたしと潮音の後ろから会話に入ってきたのは玲央のクラスの美少女、峰岸朋華(みねぎしともか)先輩。通称朋ちゃん。




玲央が好き、という点ではあたしのライバルだけど、面白いし優しい最高の先輩。あたしのお姉ちゃんみたいな存在だ。