「また、大学生盗み見てたのー? ゆきも変態だねぇ」
「変態て・・貴重なんだよ?木曜日で、しかも、雨じゃないと会えないんだから!!」
春、高校に入学して同じクラスになり、友達になった紗瑛だ。
結構、私に容赦ないツッコミをしてくれる姉さん的存在。
さえは、可愛いというより綺麗と言った表現のほうが似合う。
ストレートの長い髪はツヤがあって、女の私でも触りたくなるくらい綺麗な髪で、ちゃんとお手入れしてるんだろうな・・と、毎日後ろから見ていて思う。
「はいはい。でもさ、雨が降ってる木曜日しか会えないって、よくそこまで分析したよね~!付き合えもしない、そんな男に・・・」
「付き合えもしないとか言うな!これでも、楽しいんだからね!」
「見てるだけで楽しいと思えるなんて、幸せ者よね。ねぇ?小瀧」
さえは、私の隣の席で、机に突っ伏して寝ている男に向かって、呆れた口調でそう言葉を投げかけた。
「・・・ぁあ?知らねぇよ」
顔を少し上げると、興味のなさそうな声でぶっきらぼうにそう吐き捨てた。
私は、あのイケメン大学生のほうが、断然かっこいいと思うし、優しいんじゃないかと、勝手に思うんだけどね。
こんなぶっきらぼうな人・・・・・私は嫌だ。
