ガチャリ、と休憩室のドアが開く音が聞こえた。

問題集から、視線を上げる。

あっ・・・。

私の心臓は、トクンッと脈を打った。

「お疲れ」

ドアの向こうから現れたのは、神山さんだったのだ。

「お疲れ様です!」

満面の笑顔で、挨拶をする。

やった!休憩、一緒になれたよ!

ほとんどの映画の上映が始まって、現場も楽になったからなんだけど、他にも誰か来るかも。

腹減った~、と呟きながら、神山さんも私と同じ弁当を取って、私の正面に座った。

他にも席があるのに、私の前に座ってくれたことが嬉しかった。

「勉強?」

インカムを外して、無造作に置くと弁当のふたを開けながら、私の世界史の問題集を見た。