なんとかホームに着き、息を整えながら、乱れた前髪を手で鏡を見ながら、ササッと直した。

服装もバッチリだ。

進学校で私服、という所に行きたくて、勉強を頑張ったことをふと思い出した。

ブランドから出ている制服を着てもいいのだけど、私は私服にしている。

特に、今日は、大人っぽく見られたいしね。

もうすぐ電車が来る時間。周りを見渡した。

あっ・・・

息がキュッと吸いにくくなった。

2週間ぶりに見たというのに、醸し出す雰囲気ですぐにわかった。まだ階段を降りて傘を畳んでいるから、顔なんて伏し目がちでよく見えないのにわかる。

だって私は、あの人を目に焼き付けるほど、見ているからだ。

ただ立っているだけでも、様になる高い身長と綺麗な顔に、ブラウンの髪色がまた似合っていて、それをワックスで立ててセットされている。

こんなかっこいい人を、私は見つけてしまったんだ。

やっぱり来た。

予想が的中して、心の中でガッツポーズをする。

今日は来るって、思ったんだよね。

木曜日だからね。