HRが終わると、私は飛んでバイト先に急いだ。

「これ、制服ね。歳が近いのは、佐々木さんかな?」

マネージャーに、華奢で可愛らしい顔をした女の子が、名前を呼ばれてこちらを見た。

うっ・・・。ちょっと、苦手なタイプかも?

「優しいから、何でも聞くといいよ!」

「あ、はい」

「じゃあ、急いで着替えてきて」

返事をして、更衣室に入った。

なんだか、嫌な視線をする子だったな・・・。気のせいだといいけど。

佐々木さんが、バイト歴長いのかな?
でも、歳が近いってことは、高校生だよね?

まだ、ここは新しくできた映画館で、高校生を雇うのも、人手不足で緊急らしい。

周りは、やはり、大学生や主婦が多い。

バイトなんて、初めての経験だ。
私にできるだろうか・・・。

ため息を吐いて、制服に着替えていると、ガチャリとドアが開いた。

「新人、早くしてくれないかな?」

「あ・・・。はいっ、す、すみません・・・」

言ってる言葉は普通だけど、何だか言い方が刺々しい。

私、なんかしました?