「はぁ?マジで始めたの?」
「うん!」
「もうすぐ、期末だよ?」
うっ・・・。
この前の私のセリフを、今度はさえに、そのままそっくりのセリフで、言われて苦しくなる。
「・・・頑張る」
パタパタと教科書を目の前にちらつかせ、浮かれ気分の私を現実に引き戻す。
「今回赤点取ると、追試と夏休みがほとんど補修らしいよ」
そりゃ、1学期の成績が決まるからね。
赤点は、絶対に避けなくちゃね。
夏休みは、バイト三昧にするつもりでいる。
あの、イケ・・・じゃない。
神山さんと同じバイトをすることにしたんだからね。
接点がやっと、できたんだから。
善は急げで、バイトの面接に行き、シフトを入れてもらったのだ。
我ながら、自分の行動力に驚くぐらいだ。
仲良くなれるといいな。
ニヤニヤしながら、私は教科書を開いた。