「アイツが、例のイケメン大学生か」

「あっ、うん!」

「俺のが、かっこよくね?」

フンとバカにしたように笑って、コーラを飲んでいる。

は?

「全然」

小瀧に即答で答えてやると、ジロリと睨まれた。

なんだ、その目は!自惚れるなっつーの!

この、ナルシストめ!

「神山って、書いてあったな」

「神山?」

「なんだ、見てなかったのか?ネームプレート」

小瀧は、顎でイケメン大学生を指すと、自分の左胸あたりを指さした。

あっ、本当だ・・・。
ネームプレートがついてる。

私としたことが、メニュー頼むのに必死になっていて、そこまで見ていなかった。

神山さんって言うんだ。

チケットを買ってきてくれたさえと合流して、私たちは映画を観た。

正直、私は恋愛ものが好きなのだが、さえが選んだ映画はホラーサスペンスだった。

どおりで、小瀧が見たがるわけだ。

まぁ。小瀧が恋愛ものなんか観てたら、このミルクティーを吹いちゃう所だったかもしれない。