2時間弱の上映が終わると、シアター内がパッと明るくなり他のお客さんにつられて私たちも席を立つ。

「面白かったね!」

「やばい、アクションが!」
 そう周りから聞こえてくる通り、トランスファーマー1の番外編という位置づけにそぐわず、本編に負けず劣らずのアクションシーンばかり。

そのせいか、他のシアターから出てくるお客さんに比べても若干私たちのシアター内のお客さんは興奮ぎみだ―――私も当然その中の一人。


 まぁ速水さんはシアターから抜けてすぐ、心配そうに

「思いっきりアクションものだったけど、大丈夫だった?」
 って気にかけてくれたけれど。

でも全然心配の必要なしなんだよね!
むしろ大興奮だし、

何ならDVD化されたら買ってしまいそうなぐらい。


「また最新作公開されたら二人で来ましょうね。」
 ポップコーンの器と、ジュースを片づけながら速水さんに笑いかける。

「あぁ広告で流れた奴?」
 私はこくんと頷く。

実は上映前の広告で最新作についての軽い映像が流れていたんだ。
どうやらあと2、3回ほどでトランスファーファーマーは完全に終わってしまうみたいだけれど。

「ああいうのって、3、4年は待たされるよ?」

「気長に待ちましょう!」
 同じく片づけを終えた速水さんが近づき、私の手を握ってくる。

「ふふふっ。」

「にやけすぎ。」
 これが映画マジックなんだろうか。

変に意地っ張りな私が、その時はやけに気持ちを表情に出せてしまった。


それこそ、「幸せだなぁ」ってぽろっと口に出しそうになっちゃうぐらい。
やっぱり私って単純だ。