本当に大人になると臆病になるなぁ。
「でも、本当に純平くんは格好いいよねぇ。私は君にいつ彼女が出来るかって気が気じゃないんだよー?」
「なんで?」
「会ってくれなくなるじゃん」
「あー(笑)」
言ってる事は本心。紛れもなく私の本心。
でも、冗談めかすお陰で隠れた本音には気づかない。
お酒の席だからこそ余計に軽口だと。
お酒は強いし、酔ってないしこれからも酔わないけど。いや、むしろ超絶酔ってしまおうか?それなら私だって素直になれる。まあ、醜態も晒すことになっちゃうからそれは無いな。
むしろ、貴方を潰してお持ち帰りしたいくらい。貴方ならお酒に酔って、狼になってくれてもいいんだよ。むしろ大歓迎。まぁ無理か。無理だよね紳士だもん。
「もー前から言ってるけど、お互い三十になっても相手がいなかったら結婚してよね!冗談じゃないからね!」
本音も本音。気づいてよ!
っていう天の邪鬼。
楽しい時間ってのはあっという間で貴方といるとすぐに帰る時間。なんなら私は朝まで時間は空けてるんだけど、その時間が使われた事はない。
「はー帰りたくなーい」
「ほら、行くよ」
冗談ぽく駄々をこねる私を終電と言って私を急かす。
それでもその瞳は何処までも優しくて、私を見つめる瞳がとろける様にすら見えてしまうから、私は貴方と目を合わすのが苦手なの。
草食系なのに、そんな目をしないでよ。恥ずかしくてつい目を反らしてしまう。そんな目をするくらいなら言葉を頂戴。
少し前を歩く貴方をすぐに追いかける。
あー腕組みたい。本当にくっつきたい。もしいきなりくっついたらどんな顔するかな?
見たい気もするけど、やっぱり怖いから想像するだけにする。
はぁ、貴方と私に未来はありますか?
盗み見た横顔に心の中で問うてみる。
当然答えはないけれど、もう少し勇気が溜まったら答えを聞けるかもしれない。はたしてそれは、年内に片付くかどうか、、、、
腰が重くなるのもやはり歳のせいか。やはり若さとは強いし輝いている。
今年は私も少し若さを取り戻して見るのもいいかもしれない。

