あの日。

「お、おう……。なんか照れるな。」


ナツはそう言いながらも笑っていた。


「あ、でもさ。残りのベースどうする?」


「あ、あのさ、リードギターも入れてもいい?」


流石に1人で全曲フルで弾きながら歌うのは厳しい。

そんな事が出来るのは、本当に体力がある人だけだ。

バンドというものは、全部に全力投球で挑み、全部に本気で挑まなければならないジャンルだ。

某甲子園野球のイメージソングを歌ったバンドもそういうものだった。


「うん。そうしよう。」


2人でバンドの話をしている時にある男の子が声をかけてきた。


「あ、あのー……。」


声をかけてきた子を見る。


「俺も軽音部入るつもりなんだけど…。」


「うお!?マジで!?」


ナツが目を光らせて男の子を見る。

メンバーに二人の男の子。

私的には、女の子を入れたいのだけれど…。


「楽器は、何引いてるの?」


ここは心良く入れてあげよう。

あと1人は女の子を入れよう。


「えっと…、ギター。」


と言うことは、リードギターに決定。


「私と一緒だね。」


「俺はドラム。」


着々とメンバーが集まって来てる。

こんなにも早くバンドを組めるとは思わなかった。


「あ、君の名前は?」


「山咲冬真。」


やまさきとうま。冬に生まれた子なんだ。


「とうまって、冬に真で合ってる?」


「うん、あってる。」


「じゃあ、お前はフユだな。」


また、人にあだ名を付けるナツ。

まあ、いいか。

仲良くなるための秘策にもなるし。

そう思えば今って何時だ?

教室にある時計を見る。

もう2時だ。

終礼のHRをしたのが12時ぐらいだったから、まあ2時間はざらに話してるな。

そう思ったら、突然お腹がすいてきた。

もう、教室には私とナツとフユしか残ってない。


「なんか、お腹減ってきた。」


「そうだな。俺も減ってきた。」


「俺も。」


3人ともお腹が減ってきたところだし、ここで話は切り上げてどっかに食べに行くことになった。


──某ファーストフード店にて


私達はハンバーガーを食べながら引き続きバンドの話をした。


「フユって、いつからギターやってるの?」


「1年ぐらい前からかな。その前はベースやってたし。」


「え、お前ベース弾けんの!?」


ナツが目を輝かせながら言う。