俺は、お前と一緒じゃなくても、クラスで馴染めるし。みたいな声をしていた。


「う、うっせーな!!別にいいだろ?お前、中学のときから1人なんだから、別に高校も1人でいいだろ?」


一言余計なことを言ってしまった。

そう気づいたのは、言い終わったあと。

ハルは顔をひきつらせて、アスカの顔を見る。


「だ、誰が1人だよ……」


下を向いて、拳を作った。


「こっちだって、1人になりたくてなってる訳じゃないんだよ!!」


ハルに怒鳴った。

ハルに怒ったのは、何年ぶりだろうか。

いや、5ヶ月ぶりか。

あの時は、私がテストの成績が伸び悩んでた時期にハルが一言多いことを言ってしまったから、私の堪忍袋の緒が切れた。

あの時は、少しは感情を抑えてたけど、今回は無理だった。

「友達作りたいけど、みんな私のこと嫌いってるし、なんでなのかも分かってる。自覚してるから怖いんだよっ!また、失敗したらどうしよう。嫌われたらどうしようって。毎日今日まで悩んでたんだよっ!それをハルにバカにされる筋合いはない!!」

ずっと、ハルにも言えなかったことを他の生徒が居る中で怒鳴ってしまった。

みんなこっちを見てる。

見られてる。

入学早々、ある意味人気者になってしまった。


「……ご、ゴメン……。言いすぎた。」


ハルが謝ってきた。


「……。」


無視して、自分でクラスが書いてある掲示板まで行った。

____


…うーん。どこだろう。私の名前。

人集りの中に紛れるように掲示板を見る。


「見つからないよー。」


「ねぇ、君の名前何?探そうか?」


独り言を言ってるつもりが、隣で名前を探してた男の子が、名前を聞いてきた。

その男の子は、私より20cm以上高くて、上目線になった。


「え……。いいんですか?」


「いいよー。」


「えっと……。春咲明日香…。」


声が小さ過ぎただろうか。

もしかしたら、聞こえてたかもしれない。


「春咲さんね…。えーとっね、春咲さんは1年5組だよ。あ、俺も一緒だ。ヨロシクね、春咲明日香ちゃん。」


1年5組か…。

ハルはどうなんだろう…。

って、喧嘩してるのにこんなこと考えちゃダメだ。

私は頭を振って忘れた。


「ヨロシクね。えっと、名前って…。」


クラスを教えてくれた男の子に名前を聞いた。


「あ、俺、浜咲夏輝。」


「浜咲くん…。ヨロシクね。」