「まぁまぁ、そんなに怒んないでよ。ハルってさ、何でもっと、ありのままの自分を相手に見せようとしないの?」


「……。そ、そう言うお前は、自分を相手にさらけ出しすぎだ。もうちょっと、考えろよ。」


「え?私、別に全員に自分をさらけ出してるわけじゃないよ。心から許せる人にしか、本当の自分見せてるだけだし。」


ハルは、ある意味鈍感なところがある。

それは、恋とかじゃなくて(まぁ、そんなの知らないんだけど……。)自分への相手の気持ちに対して鈍感過ぎる。

毎日過ごしてたら、すぐに気づく。

バカな私でも気づくんだから、かなり重度の鈍感なんだと思う。

「って事はお前、俺を心から許せる人って思ってんだな。」

機嫌を取り直して、ニコニコしてた。

かなり、嬉しかったんだと思う。

私がハルのことを心から許せる人だと思っていた事に。

国道から少し外れて、ひとけが少しずつ増えてきた道に入る。

道を歩く人の中には、同じ学校の制服を来た人が何人かいた。

心の中で、その人たちに「よろしくお願いします。」と挨拶をした。


歩くこと約10分。

学校の目の前に見える道まで出てきた。

その道は、新入生や在校生が自転車に乗っていたり、歩いていたり、様々だった。

これから毎日歩くことになる道。

どんな事が起こるのかワクワクしてきた。


「おい、もうクラス発表してんぞ。」


ハルがワクワクした顔でこっちを見た。

本当に心は中学生以下なんだなと、改めて実感した。


「本当?ハル、見てきてよ。」


「あ、お前、オレをパシリに使う気だな。」


「いや?そういうつもりは無いけど。ただ、掲示板見る、勇気がない。」


「ふぅーん。それは、オレと一緒になれなかったらどうしようって、悩んでんのか?」


「うん。まぁ、そんな所かな。知らない人ばっかだから、ハルいないとちょっと心配。」


「お前って案外、そういう部分もあるんだな。」


ハルは、こっちを向いてニシシッと笑った。

別に、ハルと一緒じゃなくても大丈夫だと思うけど、中学までちゃんとした友達もいなかったから、ちゃんと友達を作ることがでするのか心配なだけなんだけど。

「あ、ハル今、私のことバカにしてたでしょ。」


ハルが顔を引きつらせる。


「……いや、してないしてない。」


動揺し過ぎ。

目が泳いでる。

分かりやすすぎ。


「ハルは素直じゃないねー。」