校舎内を歩くこと数分
「二年A組。ここが、今日から真琴さんのクラスです」
「分かった………教室に入ったら、敬語やめろよ?」
「分かってます。俺の後ろについてきてください」
「おう」
外からでも聞こえる、教室内の騒ぎ声
チラリとハルを見ると
「………チッ」
現役時代と変わらずな目つきと威圧を醸し出していた
…桜龍元副総長は現在だな
「入ります」
「…ん」
音を立ててドアを開けるハル
ハルが入った瞬間静まり返る教室内
「……テメェら、時間になったら席ついて大人しく待ってろっつってんだろうが。あ?」
笑いそうなんだけど
クラスの奴らは青くなって
「「すいません!!!」」
と頭を下げている
……やっぱり、これくらいの殺気は怖いのか
なんつーか、慣れたわ
もう全員静かに座っているのに、ハルは殺気を収めない
流石に可哀想だと思った私は、ハルの肩をポンポンと叩いて
「殺気、収めなよハル。流石に可哀想」
「あ、ああ…悪い」
滅多に見せないふわりとした笑顔を見せるハル
………可愛いから良し
180cmくらいの大の大人にいうことじゃないけどね
