紅い、紅い血が舞う










桜のように美しく、儚く
















もう意識のない男を殴り続けるのは














無表情な少女
















もう殴る意味はない















それでも、少女は殴り続ける腕を止めなかった














少女は、孤独であった














ガシッ













不意に少女の腕が止まった













振りかぶった状態のまま、少女は掴まれた腕を見た













「……んだ、テメェ……」













低く唸るような声が少女から出た













「……それ以上はやめとけ。戻れなくなんぞ」













赤い目をした男は、少女の腕を掴んだまま言った













「……関係ないだろ…放っとけよ」












「お前がやったのな、俺の族の下っ端たちなんだよ」











男は内心驚いていた









まだ中学生と思われる少女が、下っ端といえど弱くはない男たちを一人で倒したのだから











「……お前、名前は?」











「……満田、真琴」






















それが、私と前総長のリクさんの出会いだった