恋愛預金満期日 

「え―。おめでとう」
 僕は声を上げた。


「ありがとうございます。お先にすみませんね」

「相変わらず、嫌みな奴だな…… いや、待て、今俺達って言ったか?」

「当たり前じゃないですか、俺と美也ですよ」

「まさか、海原さん知らなかったんじゃ…… この支店で知らない人が居るなんて……」
 美也が両手で頭を押さえた。


「だって、お前そんな事、言ってなかったじゃないか!」
 僕は本当に驚いた。


「そうでしたっけ? 先輩、自分の事で頭いっぱいだったから……」


「雨宮さんも、式に呼びたかったけど無理ね……」
 美也が残念そうに下を向いた。


「先輩は来て下さいよ」

「ああ、勿論。呼んでくれよ」

「勿論です! ご祝儀沢山お願いしますね」

 神谷と美也が両手を揃え、僕の前に差し出した。


「お前達、お似合いだよ」


「ありがとうございます。でも、先輩に言われると、なんか不安になって来た……」
 神谷が眉間に皺を寄せた。


「あのな―」

 僕はそう言いながら笑った。

 二人も笑い出した。