恋愛預金満期日 

 長野での最後の昼休みだ。

 神谷と美也が僕のテーブルにいそいそとやって来た。


「どうでしたか? 先輩……」
 神谷が席に座るなり聞いた。

「延期だ」

「延期って。意味不明」
 美也が身を乗り出してきた。


「オーストラリアに留学するんだってさ」
 僕は明るく口にした。


「え―。海外の?」
 美也が驚いて聞いた。


「ああ。一度、断られたけど、彼女が戻ってくるまで待つよ」


「雨宮さん、待って居ていいって言ってくれましたか?」
 神谷が不安そうに僕を見た


「まあな…… 平等ならいいってさ」


 僕は彼女の提案を二人に話した。


「なんか、楽しみですね…… 」
  美也が目を輝かせている。


「だけど、先輩に女性問題は無いにしても、彼女は異国の地ですよ。激しい出会いがありそうじゃないですか? 平等じゃあないよな……」


「僕だって解っているよ。それでも、待ちたいんだ」


 僕は窓の外に目をやった。