恋愛預金満期日 

 一時三十分を回る。

 美也の話のせいで、僕は落ち着かなくなっていた。

 一体彼女は僕にどんな態度で接して来るのだろう? 


 いやに今日は「いらっしゃいませ」のテンションが低いと思い、入り口を見た。

 彼女と同じ制服の女性が入って来たが、彼女の二倍はある体格に、かなりの厚化粧だ…… 

 その女性は無愛想に総合窓口に通帳を出した。


 美也が僕と神谷に向かって、両手で×を作った。

「あの×はどういう意味なんだ?」
 僕は神谷に聞いた。


「彼女が今日は来ないって事か、あの女性の評価かな?」
 神谷は首を傾げた。


 三日間、彼女は来なかった。

 明日から土日の休みだ……


「雨宮さん、来なかったですね……」
 神谷が僕に気を使って言った。

「ああ……」
 僕は小さく肯いた。


 美也が僕に近づいて来た。

「何か用事があって休みらしいですよ…… 海原さん連絡してみればいいじゃないですか?」

「えっ。連絡って?」
 僕は戸惑った。


「まさかとは思いますが…… 先輩、もしかして携帯の番号とかメールアドレスとか聞いてないんじゃないですよね?」
 神野が嫌そうに僕を見た。


「うわ―。」
 僕は声を上げ、頭を抱えた。

 なんて事だ、彼女との食事に舞い上がって、連絡先まで頭が回らなかったのだ。

 僕の姿に、二人がため息を着いた。