家で作ったホールケーキを片手に先輩とお家に上がらせてもらう。
詩織さんたちも暖かく迎え入れてくれて、ケーキを渡せば嬉しそうにしてくれた。
「ご飯のメニュー秘密にしたいから爽太の部屋で待ってちょうだい!」
そんな詩織さんの言葉もあり、先輩のお部屋へ。
この前と変わりがなくて、
なんだか先輩の雰囲気があって落ち着いた。
「……さてと、2人っきりだし、いろいろききたいことがあったんだよね」
「??」
「最近なんだか変だよ、菜奈ちゃん」
「そ、そんなことは……」
「何か考え事でもしてるんでしょ」
図星だった。
最近はすれ違ってもヒヤヒヤしちゃって、挨拶が空回りになったり。
好きをつたえられなくなったり。
先輩がまた別の子を振ったって噂が回った日は、極力教室から出なかったりもした。


