「なおさら、菜奈の可能性高いじゃない」
「え?」
龍弥くんと2人でぬいぐるみをいじいじしてたら、突然由良ちゃんがそう言った。
私も龍弥くんも、由良ちゃんの方を見る。
「つーかさ、菜奈以外にあんの?」
「それは何か確証があるってことよね?」
「まあな」
龍弥くんは私からぬいぐるみを取り上げて、ドヤ顔をしながら言った。
「菜奈がこの前心配してた先輩の隣にいた女の人!振られてんだよ!」
……それがどうしたのか分からないけど、
とりあえずぬいぐるみ返して!
「……なるほど、そういうことか」
「え、由良ちゃん分かったの!?」
「ねえ、菜奈。その女の先輩が王子に告白した時、王子は流したんでしょう?」
確かにそう言ってた。
私と龍弥くんは目を見合わせて頷いた。
「前に流された人が振られてるのよ。
菜奈は?前に流されたのよね?振られた?」
「……何も、言われてない」
ぬいぐるみの話しか今日はしなかった……。
じゃあ、龍弥くんのいう確証って……。


