それから少しして、家のチャイムが鳴った。
こんな時に誰、もうっ!!
勇気を振り絞って布団から出て玄関に向かう。
人の姿を確認して、そろーっと開けた。
「っ! 先輩!?」
「こんにちは、菜奈ちゃん」
傘をさしても無意味だったのか、
ほぼ濡れた状態の先輩がそこに立ってた。
「え、え!?とりあえず中入って下さい!」
急いで大きめのタオルを持ってきて、先輩に手渡した。
とりあえず服を乾かさなきゃだから、お父さんの服……で平気かな。
髪の毛を拭いている先輩をリビングに通して、ドライヤーも引っ張り出してきた。
お父さんの部屋に勝手に入って、少し小さめの服を渡して着替えてもらって……。
ひと段落したところで、先輩が私の名前を呼んだ。


