こんな時に1人なのが1番嫌だ……。
頼りになる由良ちゃんも、小さな妹がいて、その子が台風怖がってて面倒みてるし、
龍弥くんに関しては寝てる。連絡こない。
あと残ってるのは……
「……先輩だけど……」
先輩の電話番号を表示してフリーズ。
かけてしまっていいのだろうか、なんて考えてはや15分。
いや、でも先輩が電話していいって何度も言ってくれてるんだし!
ええーい!かけちゃえ!
通話ボタンを押して、ドキドキする心臓を抑えながら先輩が出るのを待つ。
数コール後、『もしもし、菜奈ちゃん?』という優しい声が聞こえて、それだけで泣きそうになってしまった。