「菜奈ちゃん」 「……はい?」 頭の中でぐるぐる考えちゃった……。 名前を呼ばれて顔をあげれば、 先輩の悲しそうな表情が見えた。 「……俺の家、おいで」 「え……?」 「また来てねって、約束したでしょ?」 確かに……した。 すごく暖かいお家だったのを、今でも鮮明に覚えてる。 「菜奈ちゃんの悲しそうな顔、見たくないんだ」 今私、そんな顔してたの……?