最初は他愛もない話をして、ご飯を注文。
それから隣の席で騒いでいる龍弥くんと5人の先輩たちを一ノ瀬先輩と笑って見ていたら、ご飯は来て食べ始めた。
食べ始めて10分経ったくらい。
小さな男の子がぱたぱたと走って、
……盛大にコケた。しかも、私たちの横で。
「うわああああああん!」
ど、どうしよう!?
なんて思ってたら、その男の子のお父さんとお母さんらしき人が来て。
そして、男の子を抱っこして、笑顔で大丈夫だよって言えば、
男の子は泣き止んで、嬉しそうにだっこされてた。
……私にもあったのかなあ。
ああやって、お父さんとお母さんに抱っこされて、たまに怒られて。
小学生になればそれまで家にいたお母さんはお仕事に行くようになった。
お父さんは元々仕事人間で、ほとんど遊んでもらった記憶が無い。
小学校2年生くらいになると、周りの友達がうらやましかった。
ママと出かけたの!
パパと野球した!
ママとパパと海に行ったの!
そんな話を聞いて、泣きそうになった時もあった。
いまは無いけど。


