「じゃあ菜奈ちゃん、これ!!」
私が英語はできると知った錦戸先輩たちの目つきが変わった。……気がする。
「これはですね、ここの……」
「すげー!一ノ瀬並みの分かりやすさ!」
「そんなことないですよ!」
でも役に立てたのが嬉しくて、
私も数学を一ノ瀬先輩に聞きながら、英語はたまに錦戸先輩たちに教えたりした。
それから2時間後。
あっという間に最終下校時刻になって、
私たちは一旦教室に帰らなきゃならないってことで、先輩たちとお別れをした。
「いや〜、一ノ瀬先輩、神様みたいだったな」
「ふふ、龍弥くん、ほぼ一ノ瀬先輩につきっきりして貰ってたね」
「その代わり菜奈が錦戸先輩たち見てたな」
なんて、会話をしながら教室に戻って、帰り支度をして昇降口まで行く。
「菜奈ちゃん!」
着いてすぐに名前を呼ばれてビックリした。
一ノ瀬先輩たちがまだ残ってたんだ。


