近くの机と椅子をお借りして、一ノ瀬先輩を中心に半円を作る。
ちなみに私は先輩の真横。ふふ。
声をかけてくれた男の先輩……錦戸先輩っていうらしいんだけど、
錦戸先輩が一ノ瀬先輩の隣にしてくれたの。
2人は1年の時からの親友なんだって!
「それじゃあ、再開するよ?」
先輩たちは英語をやってて、
龍弥くんと私は数学に手をつけた。
先輩が周りにいることで謎のプレッシャーがかかって素晴らしい集中力を発揮してるんだけど……。
「菜奈、分かんね」
「……数学聞かれても、
私も得意じゃないもん」
龍弥くんと私はギブアップ。
そんな様子を見ていた先輩たちは、クスクスと笑い始めてしまった。
「仕方ねえなー。今だけ一ノ瀬貸してやるよ!」
「錦戸、上から目線なこと言ってないで英語やりなよ。いつも赤点でしょ」
「う、うるせ」
……錦戸先輩も大変なんだなあ。


