結局、龍弥くんに色々言われて、今日のリハーサル準備が終わったら先輩に聞くことになった。



もちろんずっとソワソワしてたわけで……ああ、怖いなあ。



時間はあっという間に過ぎて、今日の仕事は終わり。



「それじゃあ、みんなお疲れさま!
もうすぐで終わりだから残り2日、頑張っていこうね!」



先輩のそんな言葉とともに解散してすぐ、
龍弥くんは私の手を引いて先輩の元へ向かった。



「一ノ瀬先輩、少し話あるんですけど」



「ん?珍しいね、菜奈ちゃんからじゃなくて龍弥からなんて」



「……先輩、彼女できたんすか?」



「彼女?」



先輩は首を傾げてから、ああ、と思い出したような表情をした。



「最近一緒にいるあの子ね。彼女ではないよ」



「じゃあ好きな人とか?」



り、龍弥くん、ぐいぐい攻めるなあ……。

私はドキドキしっぱなしで、
聞いてるだけで精一杯だけど……。



「はははっ、それも違うね」



「じゃあ、すごく仲のいい女友達?」



「うーん、最近話したばっかり」



……謎だ。
一体どういうことなんだろう。



龍弥くんも、は?って顔をしてる。



そんな私達を見て、先輩はクスクスと可笑しそうに笑った。