「龍弥くん……」



「……お、おう」



放課後、グラウンドで明日のリハーサルのための準備をしながら、龍弥くんに声をかける。



龍弥くんは構えてる様子だ。



「……失恋、だよね……はあ」



「…………」



もう、龍弥くんに何言ってるんだろう。
困らせてるだけなのに。



「まだ、分かんないじゃん」



「え?」



「一ノ瀬先輩と、その女の人が付き合ってるかなんて、まだ分かんないじゃん」



「だって、一緒にお昼ご飯食べてたの、龍弥くんも見たでしょ?」



お昼休み、早めにご飯を食べ終わった私と龍弥くんは、残ってしまった最後の仕事をするためにいつも作業をしている教室に向かった。



その途中でばったり見てしまって、
龍弥くんはその時から気を使ってくれてる。