半ば強引に引き止められ、リビングに連れてこられた私は、先輩のお母さん…詩織さんからの質問攻めを受けていた。
先輩はさっきから詩織さんを止めようと奮闘するものの、
詩織さんの勢は止まらなかった。
それから少しして、優しい声色でただいま、という声が聞こえた。
「…父さんが帰ってきたみたい」
先輩の視線を辿れば、そこには先輩に良く似た優しい雰囲気の男性がこっちを見て驚いてた。
…先輩は、お父さん似だ……。
「その子は…」
「将来の爽太の彼女さん、菜奈ちゃんよ!」
「え、詩織さん!?」
なんていう説明をしてるんですか…!!
確かに、嘘つけなくて
「爽太のこと好き?」っていう質問に
ハイって答えちゃったけど!!
「はは、大体状況が掴めたよ。
ここまでくると母さんを止められなかっただろう?」
「ほんとだよ…」
や、やっぱりお父さんにソックリなんだ…!
笑い方とか一緒だもん!
詩織さんもすごく美人だし…だから性格とのギャップに驚かされたんだけど…。


