「寝顔幼くて可愛かったよ?」
「忘れてください〜!!」
「むーり。さ、ご飯買いに行こ?」
「ちょ、爽太くんっ!」
立ち上がった爽太くんのあとを追うように立ち上がる。
前をスタスタ歩いている爽太くんに追いつこうと急いでたら、急に止まったので顔が爽太くんの背中とぶつかった。
……痛い、割と。
「あ、忘れ物」
「……?」
そう言いながら振り返った爽太くんの笑顔は、意地悪な笑顔だった。
身構えたけど少し遅かった。
「おはよう、のちゅーです」
数秒後には柔らかい感触が既にしてて……。
きっと今顔真っ赤だ、私……。
「かーわい」
「……もう、嫌いです」
「嫌いなの?」
……嫌いですよ、そうやって余裕そうなところ!
私はいつも必死で、私ばっかりドキドキさせられて悔しくて!!
でも、リードしてくれるんですよね。
「……大好きです」
「だよね。俺も、大好きだよ」
そう言って私の手を引いた。


