着いたのは……部室?

……サッカー部の部室だ。



爽太くんは電気をつけて、鍵を閉めた。



もう1度向き合いなおして、未だ流れ続ける涙を優しくぬぐってくれた。



「ごめんね……避けて」



「…………」



「もうちょっと大人になったら、って思ったけど、1人で行動しすぎた。
本当にごめん……」



「……嫌いに、なってない、ですか?」



そう聞くと、爽太くんはまさか!と即答した。

それだけでもう十分だ。



「私もいろいろ……勝手なことしてすみませんでした……」



「みんなの前でああやって言うとはおもわなかったけど……。
でも、俺のせいだね、ごめん」



「謝らないでください……。
爽太くん……」



「ん?」



「だいすき、です」



そういって爽太くんの目を見れば、
大好きな笑顔。

そして……



「んっ……」



顔が近づいてきたと思ったら、唇に柔らかい感触がして、目を見開く



それがキスだと分かったのは、顔が離れてから数秒後。



「……やーっとできた。
ふふ、涙止まったね。
俺も大好きだよ」



ぎゅっと抱きしめられて、爽太くんの腕の中へ。



大好きなにおいに包まれてそっと抱きしめ返した。