「2人で話せば?まだ時間あるし」



陣先輩の声が聞こえた。



「そうするよ。みんなも、騒がしくしちゃってごめんね。
……付き合ってるのは本当だよ、6月末から、付き合ってる」



爽太くんの口からそう告げられた。

茶化したり、こそこそする人は誰もいなかった。



とつぜん手が大きな手に包まれた。

……爽太くんの手だ。



「菜奈、ちょっと歩こう」



優しく引かれて、そのまま爽太くんのあとをついていく。



どこに向かってるかは知らないけど、道中、周りの視線が突き刺さってた。