「あ、あの……せんぱ……爽太くんは私とお付き合いをしているので!!」
そこまで言ったところで、ざわめきが大きくなった。
爽太くん含めてみんなが驚いてる。
「……妄想?」
「ち、違うよ!」
飯塚さんにそんなことを言われて即座に否定して、爽太くんのほうを向く。
「菜奈ちゃん、何やって……」
「だって!こうでもしないと、爽太くん話聞いてくれないから!!」
ああやばい、泣いちゃいそう。
久しぶりに話せたこと、
やっと話せる、やっと聞いてくれる。
ずっと、寂しかった、苦しかった。
泣きたかった。
「や、矢島くんと黙ってお出かけしたのはごめんなさい。
言おうと思ってました、でも……先輩、受験勉強で忙しいし、言えなかったんです」
ずっと言いたかった言葉は、
涙とともに全部吐き出せた。


