なんで爽太くんが……
いや、そんなことは今は重要じゃなくて!!
「あ、あの……」
「……デート中かな?」
「……っ」
ニコッと笑顔になる爽太くん。
でも、その笑顔はすごく怖くて、
矢島くんでもやばいって顔をしていた。
陣先輩はこの状況をどうにかしようとしてるのか、爽太くんにとりあえず外に出ようともちかけてる。
私は矢島くんの焦った視線を感じながら、
頭が真っ白な状態で何をすればいいのか必死に考えた。
「何も聞いてないけど、黙ってたってことはやましい気持ちがあったの?」
「ち、違いますっ……!!」
否定しても、爽太くんの表情は未だに強ばってて、何を言えば伝わるのか、わからなくなってきた。
「陣、とりあえず俺は帰るよ」
「あ、おい!」
陣先輩の静止の声も聞かずに、爽太くんはすたすたとお店を出て行ってしまった。


