デート当日。
爽太くんには伝えることができないまま、この日を迎えちゃったけど……。
駅の前で矢島くんを待てば、すぐに来た。
「ごめん、待たせちゃったよね?」
「ううん!大丈夫だよ!」
「それじゃあ、行こうか?」
近くのデパートの中にある映画館に入って、映画をひとしきり楽しんだところで、デパート内のレストランに入った。
映画は普通に面白くって、話に花を咲かせていた。
注文したご飯を食べつつ、この後の予定を立てる。
頭の中でちらりちらりと爽太くんの顔が浮かんでは、少し気持ちが沈んだりもした。
……爽太くんと、デートしたいなぁ。
そういえばちゃんとデートしたことなかったな。
私が熱を出しちゃったんだっけ。
……もし今日、爽太くんとデートしていたら……。
なんて考えてしまった。
私、すごく最低だ。


