「……ったく、大事な時期なんだからこそ勉強も手を抜くなよ」
30分ほどのお説教が終わったところで部活がスタート。
正座していた選手はいまだに立ててない。
「菜奈、忙しいのによく上位者に入ったな……」
龍弥くんに苦笑いで言われてしまった。
だって、私だって負けてられないんだもん。
爽太くんにももちろん、陣先輩にも。
「陣先輩の順位聞いた?」
「いや……」
その場にいる選手全員が私と龍弥くんの会話に耳を澄ませてた。
「2位だって、あんなに部活に出て、自主の居残り練習も朝練も出てたのに」
「……まじかよ。1位は爽太くん?」
「そうみたい……それもすごいんだけどね!
負けてられないなぁって思ったの。
選手よりもマネージャーなんて忙しくも辛くもないんだもん。
だから、私だって!って思って勉強したんだ~」
だから今回はすごく点数がよかった。
爽太くんにも、陣先輩にも褒められた。