教室の扉が開く音が聞こえる。
振り返れば、ちょっといつもと雰囲気が違う爽太くんが立っていた。
「明かり付けるとバレちゃうから、このままにしてよっか」
「はい!」
教室の明かりは消えたまま、キャンプファイヤーの火と校庭の明かりを頼りにする。
「初めての文化祭はどうだった?」
「楽しかったです!すーごく!!」
「はは、良かった」
「でも、爽太くんと周れたことが何よりも嬉しくて、楽しかったです!」
爽太くんに向かってそういえば、爽太くんは優しく微笑んでから頭をなでてくれた。
「俺もだよ」
そういいながら先輩は私に後ろに回った。
急にどうしたんだろう?
なんて思っていたら、後ろからふわっと包まれる感触。
「え、えっ……」
「もう、これくらいで慌てないの」
これは……所謂、後ろからぎゅーってやつで……えっと、その……!
「学校でこういうことできるのも、そうそうないからなんだか新鮮だね」
「……はい」
だんだんと落ち着いてきた鼓動に一安心。
爽太くんに聞こえちゃうんじゃないかと思ったけど……。


