「そうですね……言って、最近ですよ」



「自分で気づいたの? それとも龍弥?」



「龍弥がうっかり、です」



驚きながら龍弥くんのほうを見る。
龍弥くんは少しこの状況を察したのか、両手を合わせて謝ってきた。

大丈夫、悪気はなかったのは知ってるよ。





「真白さんが俺にそのこと言おうかどうか悩んでるのも分かってたんだ、ごめんね」




……すごく悩んだのに、まさか知られてたなんて。



「で、でも! なんで先輩は分かったんですか!? 矢島くんが知ってるって……」



「この前、サッカー部のやつ呼びに行ったときになんとなく、矢島くんの表情でね」



……エスパー??



「それで、矢島くんから来たってことは何か俺に言いたいことがあるんだよね?」



「はい、まあ。
……俺、諦め悪いっすよ」



「そうみたいだね、まいったなぁ」



そういいながらも、なんだか爽太くんの笑顔は……怖い。